私の名前は天馬ふぇみお、左方向にねじ曲がった男根とは裏腹に、真っ直ぐな心根を持つピュアハートチンポe-ロマン画家である。

　そんな私はもちろん嘘をつくことが大嫌いで、人を騙すよりは騙される方がマシだと思って生きているので、ハッキリ言って騙されてばかりの人生だ。それくらい世の中には詐術が溢れている。

　例えば、出会い系で"奇跡の一枚"的な写真とともに「ぽちゃ気味です。宝生舞さんに似てるとたまに言われます」という女に興奮して会いに行ったら、ただの三段腹のデブが来たなんて経験を男なら一度や二度は味わってるであろう。


　もっと小さな日常にも詐欺は潜んでいる。DMM.comでエロ動画を漁ると、（普通の芸能界でもこんな美女なかなかいなくね？）って思うほどの綺麗な女性の写ったパッケージがわんさか出てきて、その中から選りすぐりの美女を選んで実際に視聴すると、「あれ・・・ゆりやん・れとりばぁに似てね(ﾟＡﾟ;)？」なんてことは日常茶飯事である( ；∀；)。



　「熟女」と検索すると（まるで二十代といっても通用するんじゃないか？）という若々しい美熟女がたくさん出てくるが、視聴したら普通に下っ腹もでている中年女だったりすることもしょっちゅうだ。

　しかし寛大な私は（緩んだカラダだけどこれはこれでエロくね(;ﾟ∀ﾟ)=3）とプラス思考で考え、しばらくは右手を上下に動かしながら視聴するわけだが、不思議なことにある瞬間から急に気持ちが賢者のように冷静になってくるのだ。

（つーかパケと実物違いすぎるだろ？なんだその緩んだ下っ腹は？同じ四十路である俺はこんな引き締まったカラダなのに、カラダをウリにするプロの女優としての自覚はないのか、ええっ！？そんなんで視聴者が興奮してイクとでも思ってんのかよ!!?まぁイッたけどさ…(*ﾉｪﾉ)）

　そして心の声を抑えきれず私は叫ぶのだ「詐欺だ・・・金を騙し取られた(´ﾟдﾟ｀;)！！」と・・・。

　詐欺というのは冷静になってそれに気づくまでには時間差があるのである。


《屋根修繕詐欺》

　リフォーム詐欺の可能性に気づいたのも、胡散臭い業者が去ってしばらくしてからだった。試しに名刺に書いてある会社のHPを見てみた。そして私は思った。

　究極にうさんクセェ(´ﾟдﾟ｀;)!!

　まず情報量が少ない・・・。５分で作ったようなHPであった。


　代表者の写真が載ってるが小さすぎて顔がまるでわからん。さも「自社で請け負ってる高層ビルの現場で撮りました」的な写真だが足元にヘルメット転がってるだけで工事現場であることを示すものは何も写ってない。コレ、どっかのビルの屋上に勝手に登って撮っただけだろ・・・( ﾟдﾟ;)

　そして彼らは「マンションなどの事業者向け修繕工事専門」を謳っていた。が・・・その割には・・・

　さも大規模な工事ヤッてるかのような写真は載っけてるけど、具体的な施工例は一切載ってねぇ(´ﾟдﾟ｀)！！おそらく「一般家庭向けの工事は本来やってません、でもたまたま不具合を見つけちゃったんで親切に教えてあげたんです」というテイの方が相手を騙しやすいからそう謳っていたのだろう。

　さらに極めつけだったのは・・・


　そんな大規模工事を専門に請け負ってる業者のはずなのに会社の所在地がマンションの507号室(ﾟＡﾟ;)!!
　いやいやいや・・・普通はマンション修繕みたいな大規模工事やる会社なら自社ビルくらいあるだろ。百歩譲ってマンションの一階に事業所があるならまだ分かるけど、507号室って・・・ありえねーΣ(ﾟДﾟ;)!!!


　しかし人間というのは不思議なもので、露骨に怪しい相手だと分かっても（ひょっとしたら自分の考えすぎなんじゃないか？）と思ってしまうのである。きっと深層心理の中で、（一度は信じた相手なので信じたい）とか（自分が騙されたという事実を認めたくない）という思いが働くのだろう。

　とりあえず一晩頭冷やして、落ち着いてからまた考えようと思い、私は床につき、翌日、不動産屋に向かった。私の家の近隣のアパートや駐車場などの物件はほとんど同じ不動産屋が管理している。駐車場代金を支払いに行くついでに、不動産屋の人にここ数日で管理物件の屋根の修繕工事があったか訊いてみたところ、そんな工事は一切してないとのことだった。

　状況証拠的にはもう真っ黒である。流石に私も認めざるを得なかった・・・アイツら、カウパー死線液を誘発させるあのポニーテールの姉ちゃん含めて・・・詐欺グループだΣ(ﾟДﾟ)！と。

　そんな奴らを迂闊にも屋根に上げさせてしまった己のバカさ加減を呪うが後の祭りである。

　DMM.comのエロ動画販売でパケ写詐欺に会ったときとは比べ物にならない後悔と自己嫌悪が私を襲うのであった・・・。

（続）

　私の名前は天馬ふぇみお、常に感謝の心を忘れないサンクスギビングe-ロマン画家である。

　飲食店を出るときは「ご馳走さんです」の挨拶を欠かさないし、女性の顔に射精する時も「ご苦労さんです」とねぎらう・・・そんな顔射の心・・いや感謝の心を忘れない私は世間が無下に扱ってるものにすら労りをもって接する仏のような男である。
　例えば「カウパー氏腺液」というのをご存じだろうか？男は射精する前に透明な粘液がちょろちょろ垂れてくることがよくある。いわゆる『ガマン汁』なんて呼ばれ方をされるが、その正式名称がカウパー氏腺液である。しかし透明なので大丈夫だろうと高を括っていると、カウパー氏腺液の中にはそこそこ精子が含まれているので油断してると膣内射精してなくても妊娠する恐れがある。


　昔はランバダ（バブル期に流行った男女が体を密に接する踊り）でカウパーが布越しに浸潤して妊娠した、なんて噂があったくらいだ( ﾟдﾟ;)。

　ともかく、ガマン汁なんてふざけた呼び名がまかり通っているが、カウパー氏腺液はイクかイカないかのギリギリの死線を乗り越えてきたいわば男の勲章のようなものである。

　何事にも感謝の心を忘れない私は畏敬の念を込めてカウパー死線液と呼ぶようにしている。


　さて・・私はそもそも何の話をしようとしていたのか(　ﾟдﾟ)？

　そうだ、リフォーム詐欺にあった話だ(ﾟДﾟ;)！


《リフォーム詐欺は突然に》

   ある日の午後、いつも通りエロ動画を物色しているとインターホンが鳴り、ポニーテールの女性の姿が写っていた。「屋根の板金が浮いていてー」とよくわからないことを言ってるので出てみた。ペンキで汚れたつなぎの作業着とポニーテールの組み合わせはなかなか萌えるものがあったが、彼女が言うには「近くの建物の屋根に登って作業していたらお宅の屋根の板金が浮いてるのが見えて・・・これ放っとくと屋根全体が駄目になって何百万もかかってしまいますよ」とのことだった。


　後ろにはハシゴを積んだバンが停められていて、同じく汚れたつなぎを着た男４人が立っていた。リーダー格っぽい男が名刺を渡してくれ、「ビル・マンション大規模修繕工事の請負　番◯」と会社名が書かれていた。「◯童」・・・聞いたこともない会社だった。

　私も馬鹿じゃないので、すぐにこう思った・・・これ、ひょっとして詐欺じゃねーのか(´ﾟдﾟ｀)？と。　

　賢い私は言ってやった・・・「えっ？去年リフォームしたばかりなのに！？じゃぁそのリフォーム屋に文句言ってすぐに直させます！教えてくれてありがとうございます」・・・と。
　要は（嘘だろうと本当だろうと、馴染みの業者に頼むからお前んとこに仕事頼む気はねーぞ）、とハッキリ意思表明したわけである。
　するとポニーテールの女の子は「じゃぁそのリフォーム業者さんに見せるためにどこに不具合が出てるか写真を撮ってあげましょうか(●´ω｀●)？」とにこやかに言った。後ろの男たちがバンからハシゴをおろし始める。
　感謝の心を忘れない私は思った・・・仕事頼む気はないとハッキリ言ってるのに・・なんて親切な人達なんだ( ；∀；)・・・と。ああ、言い訳はしない。馬鹿だ・・・馬鹿である。

　男たちが屋根に登り、５分くらい屋根の上でガチャガチャやって降りてきて、スマホに撮った写真を見せてくれる。私はその画面をスマホで写し「じゃぁこれ馴染みのリフォーム屋さんに見せて直してもらいます。親切にありがとうございました」と礼を言った。
　ポニーテール女とその一行は「何かあったらいつでもご連絡下さい。」と笑顔を浮かべ、バンに乗り込み去っていった。
　去っていくバンを笑顔で見送る私であったが、段々その笑顔がひきつっていくのがわかった。

（マンションなどの大規模修繕工事専門を謳ってるが、うちの近所に集合住宅なんて殆どないし、あっても２階建てのアパートで、しかも近いアパートでも50メートルは離れてる。そんなとこから屋根の微妙な不具合とか分かるんか・・・( ﾟдﾟ;)？）とか（「写真をとってあげます」と言って屋根に登ったけど本当はテメーらで屋根を壊したんじゃねーのか？考えてみりゃ、写真取るだけだったら何で5分も屋根の上にいる必要があるんだ？向こうにしてみりゃ別のリフォーム業者が屋根に上がって「何も不具合ないです」と報告されたら困るし、万が一自分たちのとこに修繕依頼がくれば予定通りボッタクれば良い訳だし・・・(･ัω･ั;)）とか、冷静になってみると色々疑念が湧いてきてしかたない。　

　どうして俺はあんな胡散臭い連中を屋根に上げてしまったんだ(´ﾟдﾟ｀;)!!？

　冷静に考えればおかしいことだらけだが、残念ながら人間は常に冷静沈着でいられる訳ではない。何かが私の判断力を鈍らせて一線を越えさせてしまったのだ。汗臭そうな男3人に混じって狭いバンで移動するペンキまみれの汚れたツナギ服を着たポニーテール女・・・なんともエロ漫画映えするこのシチュエーションが私の心と股間を乱したのかもしれない。

　
　そう、股間を濡らすカウパー死線液が私に一線を越えさせたのだ。世の中結婚詐欺が横行するわけである。

　ウジウジ悩んでいるだけでは仕方ないし、まだ詐欺なのか本当に親切なだけの行きずりの業者かはわからないのだからと、私はもらった名刺に書いてあるHPを覗いてみた。

　そして・・・私の疑念は確信に変わるのであった


（続）