私の名前は天馬ふぇみお、三十代もあと数年で終わってしまうアラフォーe-ロマン画家である。

 かつてリアル乱交パーティーにチャレンジしたものの緊張のあまりチンコがフォールディング(中折れ)して失敗した・・・そんなトラウマがある私であるが、15年の時 を経た現在、せめて漫画の中でリベンジしてやろうと思って、「ガチコミ」という電子コミック雑誌に乱交漫画を入稿したばかりである。
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 しかし、作業の進まなさに激しく後悔した、という事を前回書いたと思う。なぜ乱交が大変なのかを今回は言い訳がましく説明していこう。


 《乱交という修羅場》

 乱交の何が大変かって言うと、とにかく人が沢山出てくるので描くのが面倒だということだ。
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 しかしそれ以上に、デッサンとるのがいちいち難しいという問題がある。

 エロ漫画というのは基本的に女性の裸体が主役である。

 エロい女体さえ描ければ、話がダメでも背景下手でもぜーんぜん大丈夫・・・そんな一点突破的な特殊な世界なのである。
 女体が主役なので女性の体のデッサンには特に気を使うのだが、エロ漫画にはさらに独特の不文律があり、人体に独特のパースをつけねばならない。

 パースというのは遠近法のことで、普通は雄大な風景を描く際に遠くのものは小さく、近くのものは大きく描くことで画面に迫力を出すのに使う。
 エロ漫画では下から上を見上げるような構図が異様に多いのだが、そういう際にパースを効かせ、股間をズームアップして、顔は小さく描くことで迫力を出すのである。
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 ダ・ヴィンチをはじめとするルネッサンス期の美の巨匠たちが洗練させていった遠近法の技術は現代のエロ職人たちにも脈々と受け継がれてきているのだ。

 で、この遠近法を使った人体デッサンであるが・・・女性を一人描くだけならまだいい。

 女性一人+男数人でも問題ない。男女が絡み合う図というのは本来デッサンを取りづらいのだが、エロ漫画の場合、女性のデッサンだけ気を使えばあとはテキトーですんでしまう。

 なにしろエロの世界では男の体なんてパセリのようなもんなのだ・・・『サブ』に載ってるような特殊なエロ漫画でない限りは。
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 事実、私は女性が大勢の男に陵辱されるような漫画は過去に沢山描いてきたが、ヒロインの体のデッサンにさえ気を使えば、男の描写なんてどーとでもなるのである。男のこの体勢はデッサンに無理があるなぁと思えば、フキダシで隠しちゃったり、コマ割工夫してスン切れるようにしたり、誤魔化しようはいくらでもあるのだ。
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↑こんなに大勢の男が出てきても、肩から上だけしか描かずに
済むならテキトーなデッサンでパパっと描けてしまうのだ


 しかし・・・これが女性二人、女性三人を一緒に描くとなると、とたんに難易度が跳ね上がる。男+女の絡みと違って女同士の絡みだと、どちらのキャラのデッサンもしっかりバランスを取らねばならないからだ。
 これにパースがついてくるとさらにめんどくさい。女性同士の69とかなると、片一方は下から見上げるアングルで、もう片一方は上から見下ろすアングルで、それぞれパースをつけつつバランスを取らないといけないのだ。
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 デッサン力がない私には苦行である。逃げ出したい。逃げ出したいのだが・・・今回の男女8名の乱交は二話にまたがって続くので、次回の原稿も延々と乱交シーンを描かなきゃならんのだ。
 もう心が折れそうである。リアル乱交では股間が折れ、漫画という架空の世界の乱交では心が折れた。折れてばっかの私の股間と心はもうボロボロである。


 そうそう、折れるといえば、最近小型のフォールディングバイクを買った。
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 都会の喧騒から逃げ出し、東京都の外れのちょっとした田舎に引っ越ししたのだが、そこは最寄り駅まで2,5キロもあるような場所なので、色んな所に行けるようにと思って衝動買いしてしまったのだ。
  折りたためば何処へでも持っていけるので、フォールディングバイクは便利である。

 フォールディングするマラは何の役にも勃たない、いや立たないが、フォールディングするチャリはとても役に立つのである。

 私の名前は天馬ふぇみお、マラフォールディングしてばかりのマラフォーe-ロマン画家である。