私の名前は天馬ふぇみお、チンコに顔を書いて服を着せて萌えキャラ化させようと奮闘する、ちんぽアーティストe-ロマン画家である。女子は可愛いものに目がないので、ただでさえ小さく可愛らしい私のムスコ、『ふぇみ太郎』に更に可愛らしい顔を描けば、萌えキュンして体を許してくれる女子がわんさか現れると思ったのだが、なかなかうまくいかない。
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萌えというジャンルは難しいものなのである

 童貞仲間のことを書くつもりでいたのだが、タイミング的に告知記事を書く時期になってしまったので、童野郎を後回しにして今回は知合いの作家さんについて触れたいと思う


《よつ葉真澄さん》


 今でこそ『萌え』という言葉が普通にいろんなところで使われているが、私がエロ漫画家として仕事し始めた15年前くらいは、なんとなくエロ漫画家業界で「萌え系」なんて言葉が使われ始めた時期で、編集さんも「これからは萌え系に手を広げていかなきゃ」みたいなことを言ってたり、知合いのアニメオタクな編集から「お前の絵には萌えがない」とか言われたりしたものの、当時業界の多くの人間が「そもそも『萌え』って何("゚д゚)?」と実態を掴みかねていた。

 私にしてもそうで、そもそも『萌え』と『エロ』の違いがよく分からなかった。「このキャラ超エロい!」と「このキャラ超萌える~」じゃ似たような使われ方で似たような意味合いのはずでありながら微妙に何かが違う。
 でもその何かがよく分からない。

 何となーくロリっぽい感じで可愛らしくてぽにょぽにょして柔らかくて萌え萌えしたもの・・・それが萌えなんだろう、と雲のように実体のない漠然とした理解でしかなかった。そんな私が「ああ、きっとこれこそが『萌え』だ!!」と思ったのが、当時「幻羅」という同じ雑誌で描いていたよつ葉真澄さんの漫画であった。

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 何となーくロリっぽい感じで可愛らしくてぽにょぽにょして柔らかい・・・私にとっては正に This is 萌え であった。
 私は昔自分の描く線が固いのが悩みで、チンコは柔らかいのにどうして描く線は固いのか、どうにか柔らかい感じを出せないか四苦八苦していた。なので彼女の描く何とも言えないふわふわした柔らかい線画には衝撃を受けたものである。

 よつ葉さんとは何度かお会いしたことがあるが、コスプレイヤーもやっていて目がくりっと大きい美人さんである。なんて書くとまるでコスプレイヤーが片手間でテキトーに漫画描いてるように見えるかもしれないが、漫画に関しては結構苦労して真面目に営業活動しているそうである。
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 漫画家は出版社の方から依頼が来る場合もあるが、零細作家ほど自分から新人のように出版社に投稿原稿描いて営業に行かないといけない。またエロ漫画家がエロ以外の別の方面の仕事もしたいと思ったら、 やはり自分から営業に行く。

 私なんかは年に一度は営業活動をする、と自分ルールを作っていまだに営業用の金になるかもわからない原稿を描いたりしてるが、ハッキリ言って営業なんて嫌なものである。
 なにしろマイナーエロ漫画家風情が一般誌目指してメジャー出版社に営業行こうモノなら新人以下の扱いされてバキバキに心を折られて帰るのがオチである。それでも何もしなければ今の零細エロ漫画家のままなので、わずかな可能性に賭けて出版社を回り、やっぱり心折られて帰ってくる・・・それが漫画家の営業である。

 営業とは辛い辛い苦行なので、作家の殆どはだんだん営業活動なんてものはしなくなる。いい歳こいて夢をあきらめきれずにいまだに一般誌に営業活動してるのなんて、私の周りでは今やよつ葉さんくらいなのである。

 彼女は地道な努力が実り、今はコミックヘヴンという一般誌で連載をもっている。

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 なので私は彼女にはとても親近感を持っていて、「どこそこの出版社に営業行ったらこんな冷たい扱いされた」みたいな不幸話を言い合っては互いの傷を舐めあえる唯一の知合いであった。

 しかし傷を舐めあってばかりいても人間として成長しないんじゃないかと気づいた私は、よつ葉さんにこう提案した・・・「を舐めあってばかりいても仕方ないので、チ●コマ●コを舐めあう仲になりませんか(≧∇≦)b?」 、と。

 ちなみにそのメールを送ってから1年と4か月が過ぎても彼女から返信は一切ない。きっと忙しいからなのだろう。そんなよつ葉さんが連載している漫画『萌えっくい☆日和』がこの度単行本になるそうである。

 十数年ぶりの単行本ということで正に彼女の苦労の結晶であるが、舐め友として嬉しい限りなのである。
 ワンランク上の舐め友になりましょう、という私のメールに1年と4か月と5日も返信できなかったのは単行本の作業に忙しかったからなのか、と納得し、私は彼女からの返信を心待ちにするのだった。